探偵コラム 「犯罪被害対策」

第4回 セクハラ問題と対策
セクシャルハラスメントとは
「性的嫌がらせ」、相手の意に反する不快な発言や行動と定義されています。
主に雇用の場において強い立場の者から弱い立場の者に対して行われることが多く、厚生労働省の定めているセクハラの判断基準は、平均的な女性(男性)の客観的基準・感じ方が適切であるとし、曖昧で線引きが難しく個人差はあるものの相手が不快に思えばセクハラと判断される可能性があるということです。
「対価型セクハラ」
セクハラに対して拒否・抵抗したことにより、解雇・降格・減給等、経済的な不利益を受けること。
「環境型セクハラ」
セクハラを受けたことにより、職場の環境や仕事をする上で悪影響や支障が生じること。
セクハラ問題に対する経緯
現在では一般的に使われる「セクハラ」と言う言葉。
日本では1989年(平成元年)に日本初のセクハラ民事裁判が起こり、その年の流行語大賞を受賞するなどセクハラという言葉が定着。
その後も様々な企業、学校内や議員までもがセクハラ問題を起こしては和解を繰り返し、その度に企業体質、倫理問題が問われ社内の危機管理が求められるようになります。2006年(平成18年)厚生労働省は事業主に対し「セクハラ対策の指針」を規定し、企業側にはセクハラに対する管理体制の強化とより一層の対策を義務付けます。
2007年(平成19年)には「改正男女雇用機会均等法」により事業主には雇用管理上の配慮義務から措置義務へと格上げされ、2014年(平成26年)の「改正男女雇用機会均等法」では男性から女性に対する行為を指すことの多かったセクハラに対し、同性異性等の性別を問わず対象となります。
2015年(平成27年)「言葉」によるセクハラ行為も許されないという最高裁判所の判例が出る。
セクハラ対策〜厚生労働省の指針
「事業主の方針の明確化及びその周知・啓発」
  1. 場におけるセクハラの内容・セクハラに関する方針の明確化、周知啓発 ・資料等の配布 ・社内教育や研修等の実施
  2. 行為者への厳正な対処方針・内容の規定化、周知啓発・就業規則や服務規定等の明確化・懲戒規定の適用
    「相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」
  3. 相談窓口の設置
    ・担当者を設ける ・複数の相談方法の確立 ・外部機関への委託
  4. 相談に対する適切な対応。
    ・担当者の研修 ・カウンセリング ・人事部門との連携
    「職場におけるセクシャルハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応」
  5. 事実関係の迅速かつ正確な確認
    ・担当者、人事部門、専門の委員会等による事実確認・双方からの事実確認・第三者からの聴取 第三者機関による紛争処理
  6. 事実確認ができた場合、被害者に対する適正な配慮の措置の実施
    ・関係改善の援助・配置転換・行為者の謝罪・不利益の回復・第三者機関の紛争解決措置
  7. 事実確認ができた場合、行為者に対する適正な措置の実施・関係改善の援助・配置転換・行為者の謝罪・不利益の回復・第三者機関の紛争解決措置
  8. 再発防止措置の実施(事実確認できなかった場合も同様)
    「上記と併せて講ずべき措置」
  9. 当事者等のプライバシー保護のための措置の実施と周知
  10. 相談、協力等を理由に不利益な取扱いを行ってはならない旨の定めと周知啓発。
「言葉のセクハラ」(環境型セクハラ)最高裁の判断
判例(平成27年2月26日)
管理職(課長代理)の立場にあった男性社員2人が部下の女性派遣社員に1年以上にわたり性的な内容を含む、セクハラ発言を繰り返したとして会社側から出勤停止それぞれ30日と10日の懲戒処分を受け、一般職(係長)に降格させられたことについて、「処分は重すぎる」と処分取り消しを求めた裁判(上告審判決)で最高裁判所は「懲戒処分は妥当」という判断を下した。
最高裁の判断は、今後の企業の対応に影響を与えるもので出勤停止は懲戒解雇に次いで重い処分であり、会社側には厳しい姿勢と処分の厳格化を認め、加害者側には言葉と言えどもセクハラ行為は許されないと示したものです。
セクハラ被害を受けた場合の対応と証拠
セクハラ被害を受けた場合、まずは曖昧な態度はせず、行為者にわかるよう、周囲に人が居る場合は周囲にもわかるよう嫌だという意思表示をします。これは最も重要なことです。

ここで注意が必要なのは、被害者の周囲がセクハラ被害を知り得ている状況を除き、可能であれば職場内での相談は証拠収集を完了するまで、被害を確実に立証できるまでは避けてください。
部外者が入ることが難しく、閉鎖的な環境の中で起こるセクハラ被害は、被害の立証、証拠の必要性は明白です。
相談する相手を間違えたばかりに証拠を得る前に内容が筒抜けになる、うやむやに揉み消される、緘口(かんこう)令を敷く等、証拠を思うように押さえることができない、そればかりか被害を説明することすらできず被害者が肩身の狭い思いをするということもあり得ます。

セクハラ被害の証拠は、被害者自らが集めなければならない事が多く、精神的な苦痛を伴いますができる範囲内で一つずつ進めます。
可能であれば動画や画像等、第三者が明確に判断できるもの、裁判に発展したときにそのまま証拠資料として提出できるものをお勧めします。
犯罪被害や秘匿性の高い調査を実施している探偵社には業務用機材がありますのでご相談ください。
映像が難しい場合は、ボイスレコーダー等、音声のみの会話記録も証拠採用されますので録音されてください。
最近のものは小型で長時間録音が可能ですので通常業務に支障なく証拠収集可能かと思います。

職場内に電子機器や私物の持ち込みが制限されている場合(映像や音声で証拠取得している場合も含む)はメモに記録を残します。

  1. 日時
  2. 場所
  3. 行為者
  4. 被害の内容
  5. その時の被害者(あなた)の対応
  6. 周囲の状況
  7. 証人の有無を可能な限り詳しく被害状況を裏付けができるようにします。

複数回の確実な証拠を得た後、信頼できる社内の同僚・上司に相談、若しくは社内の専門の部署や窓口に相談します。
社内で相談できる状況にない場合、相談しても改善が見られない場合や外部にお願いしたい場合は、厚生労働省の出先機関である各都道府県の労働局雇用均等室や労働基準監督署(会社側への指導・援助・立ち入り・勧告等)、日本司法支援センター(法テラス)等の行政機関、弁護士・弁護士会(損害賠償請求・慰謝料請求・会社への債務不履行等)、警察(悪質な犯罪行為・刑事罰を求める場合)、その他セクハラ事案や人権問題を扱う第三者機関・NPO法人・調査会社等も対応可能です。

企業側(事業主)の責任
企業側の責任として男女雇用機会均等法、厚生労働省の指針を念頭に予防策を確立し、被害が発生した場合には規定に沿った迅速な措置を講じ、状況によっては第三者機関へ委ねる等、対応策を整えなければなりません。
これは企業側に定められた義務であり、守らなければ法律違反となります。
また、厚生労働省から勧告され従わない企業に対しては社名が公表されます。
被害者は加害者に対して、民法709条に基づく不法行為として、また、企業側に対しては民法715条に基づく使用者責任の損害賠償請求をすることができます。
裁判に発展した場合は加害者と会社(事業主)が連帯し賠償責任を負う傾向にあります。
第3回 犯罪認知件数からわかる事

ストーカー被害、DV被害、嫌がらせや器物損壊被害、結婚詐欺被害等々・・・
調査会社は刑事事件として立件するために被害者に代わり被害状況の確認や証拠を取得する業務を請け負うことがあります。

ご依頼者様の半数以上は「警察へ相談しましたが何もしてくれません」とおっしゃいます。しかし実際には「何もしてくれない」のではなく、「対応し切れない」のです。
警察庁の統計資料を見ると警察の置かれている環境は一目瞭然です。

そこで平成24年4月1日時点の統計資料を基に、東京都、北海道、そして警察庁の犯罪統計トップの大阪府の3都市の現状を見てみることにしましょう。

東京都
  • 東京都の人口:1319万5704人
  • 警視庁の警察官数:4万3226人
  • 平成24年犯罪認知件数:17万2385件
警察官1人あたり都民305人を守らなければならない中で、1日472件の事件が発生している計算
北海道
  • 北海道の人口:547万4216人
  • 北海道警察の警察官数:1万519人
  • 平成24年犯罪認知件数:4万5489件
警察官1人あたり道民520人を守らなければならない中で、1日124件の事件が発生している計算
大阪府
  • 大阪府の人口:885万6530人
  • 大阪府警の警察官数:2万1258人
  • 平成24年犯罪認知件数:14万6966件
警察官1人あたり大阪府民417人を守らなければならない中で、1日402件の事件が発生している計算

犯罪認知件数とは交通違反や取り締まりを除いた、被害者からの被害届・告訴、市民からの告発、目撃者や警察官が現認した犯罪発生の届出受理件数(警察が届出等によりその発生を確認した件数)の事です。
届けられた事件が犯罪を構成する要件に満たしていない事案や相談だけの事案、被害届が受理されない事案や警察によって問題無いと判断される事案等は認知された事になりません。その数を含めると1日の事件発生件数は数倍になります。

更に最近では、元交際相手や元夫婦間で起こるストーカー被害、配偶者間で起こるDV被害、親族間のトラブル、近隣同士のトラブル等々・・・民事不介入として処理されていた事案にも警察が動かざるを得ない状況にあり、事件性の高いものから対応しなければ手に負えず、ある程度証拠が無ければ被害届を受理しても見送るケースも多々あります。

都市部になればなるほど希薄になる近所付き合い。隣りにどんな人が住んでいるのかすら知らない状況の中で、何かあった時に駆け込む所も無ければ相談出来る相手も居ない。実に寂しい事ですがこのご時世、「自分の身は自分で守る」事が重要なのです。
犯罪被害でお悩みの際は、被害を立証出来る証拠を掴んだ上で関係機関へご相談される事をお勧め致します。

氏家探偵事務所では、数々の犯罪被害問題を解決へと導いてきた専門部署が、安心・安全な日常生活を取り戻すお手伝いをさせて頂きます。どんな些細な事でもご相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

第2回 神奈川県逗子のストーカー事件

事の発端は別れた後から始まった嫌がらせメール。
警察へ相談し、その後被害者が結婚、転居。

平成22年12月
継続されるメール被害を警察へ相談、容疑者は注意を受ける。
平成23年4月
「殺意」の脅迫メールを1日に約100通送られ警察へ相談。
緊急通報装置を設置。
平成23年6月
脅迫容疑で容疑者を逮捕
平成23年7月
ストーカー規制法による警告
平成23年9月
執行猶予付きの有罪判決。
被害者宅に監視カメラを設置。
平成24年3月〜4月
一度は収まったメールだが、一年も経たずに「慰謝料払え」などと内容が変えられ再びメールが送られ始める。
たった20日間で1,089通ものメールが送られ、警察へ再度相談。
捜査と共に被害者宅付近の巡回も開始。
平成24年5月
ストーカー規制法での立件は難しく、
メールが来なくなったことを理由に被害者が上申書を提出。
自宅周辺の巡回は継続されたものの事実上捜査は打ち切り。
平成24年11月
被害者が自宅で刺殺され、その後容疑者は自殺。
今回のストーカー事件で思う事

一連の警察の対応は早い方ではあっただろう。
ただ、被害者保護の観点からもう少し配慮のある対応はできなかったものか。
そして、時代の流れに沿って法改正をしていかなければ、大きな事件が起きてからやっとの法改正では遅すぎる。

刑事訴訟法など法律上の手続きにのっとり逮捕時には、「いつ、どこで、誰に、どのような行為をしたのか」逮捕容疑や令状に記載された内容を読み上げる。
取り調べ時にも読まれることもある。
報道では、この際に容疑者に被害者のパーソナルデータ、特に知られたくない結婚後の名字や現住所が発覚した可能性や、引越先を割り出す手掛かりになった可能性があるとのこと。
ストーカー犯には賢い人間もいれば、執念深い人間、恨んでいる人間など様々で、「念には念を」の対応が大変重要であることは言うまでもない。
脅迫やストーカー行為で助けを求めて相談しているにも関わらず、一番知られたくない、結婚後の姓や現住所等の情報が漏れたのだから慎重に対応しなければならなかっただろう。

更に、追い打ちをかけたのが、
12年前に施行されたのストーカー規制法。
つきまとい、待ち伏せ、押しかけ等、規制対象の規定が8つあり、
その中に「連続した無言電話、連続した電話、連続したファクシミリ」がある。
しかし、
「連続したメール」だけではストーカー規制法での条文規定がなく、立件できない判断であった。
何故なら、施行されたのが今から12年前の平成12年11月24日。
当時は、メールが普及しておらず、規制対象にはなっていない為。
とはいえ、20日間で1,000通超は尋常ではない。
そんな大量のメールが送られてきた被害者の恐怖は計り知れない。
メールの内容も脅迫罪で逮捕された際の「殺意」の脅迫文から「契約不履行」などの文言になっており、脅迫罪での立件も規制対象外だったのであろう。

いずれにせよ、法律が時代に追いつかず、事件が起きなければ動かないという体質は 如何なものか。
時代に応じた法改正と柔軟な対応は必須だろう。

警察庁が公表している平成23年の全国のストーカー行為の認知件数は14,618件、その内警告は全体の10%弱の1,288件、摘発は205件の2%弱と極めて少ない。
これがストーカー被害への対策の難しさを物語っているのかもしれない。

容疑者は、犯行前に探偵業者を雇って被害者の住所を突き止めたとの報道もある。
当探偵社では、ストーカーの疑いが見受けられる場合や事件に繋がる恐れのあるような場合には、ご相談の段階でお断りしています。
そこの見極めがやはり大変重要であるということを探偵として改めて再認識させられた事件であった。

逆に、被害に遭われている場合のご相談は放置してしまって事態が悪化してしまうのを防ぐ為にも、早期対応が大変重要となります。
どんな些細なことでもお気軽にご相談下さい。

詳しくは、ストーカー調査 犯罪被害対策をご覧下さい。

第1回 いじめを苦にした未成年者の自殺

学校、市教委のお粗末な調査とずさんな対応。
マスコミが騒がなければうやむやのまま終わっていただろう。
むろん市長の謝罪も警察が動くこともなかっただろう。

テレビ、新聞等の連日の報道を見ていると、いじめの問題が出た時に、教員の立場での調査は難しいということが伺える。学校側の調査だけでは限界があるのだ。

そこで教育委員会ではない第三者機関が必要・・・。
何のための教育委員会?と思ってしまうが、事後対応で
「自殺といじめの因果関係は不明」となるくらいなら、 確かにそういった機関が必要なのかもしれない。
その機関の中に「探偵」まで入ってきたくらいだ。

いじめ問題に取り組んだことのある探偵であれば、
「もっとまともな調査が出来たはず・・・」
「もっと深く掘り下げてとらえなければ・・・」
などと思っているはずである。
そして、
いじめというのは極めて閉鎖的な環境で起こる問題であるため、ある程度強制的に介入できる権限が探偵にもあれば・・・とも思っているはずである。
その反面、調査業の中では、極めてデリケートで難しい仕事かもしれない。

何につけても証拠証拠・・・のこのご時世。
セクハラやパワハラなどの犯罪被害の依頼はほとんど本人からであり、
証拠を取得する上で本人の協力が必要になることが多い。

しかし、いじめの場合は、同じ犯罪被害であっても
いじめを受けている被害者側からの依頼はほとんど無い。
いじめられている子供は、その事実を「親に知られたくない、周囲に知られたくない、いじめの事実を認めたくない」などの理由から、証拠を取得する上で被害者本人の協力を得ることは非常に困難となる。

そうなると、それ相応の期間が必要になる上、大半は学校内でいじめが起こっているのに、閉鎖的な学校内での証拠取得は難しく、学校外での些細な変化を察知し、証拠を押さえるしかない。
学校内で起こっている決定的な証拠が欲しくても介入することが出来ない。
情報収集したくても、何の権限も無い探偵には弊害になったりもする。

平成23年(滋賀県)大津いじめ事件、滋賀県警が刑事告訴を受理

これは、「いじめは犯罪である」と認めたことになり、現に「ストーカー規制法、DV法、児童虐待防止法」等の以前には、なかなか切り込めなかった問題の法律が制定されてきたが、今後「いじめに関する法律」も必要になるかもしれない。

そして、これからもいじめ問題に関して私たち探偵がお力になれるのであれば、利益度外視を貫き、真摯に取り組んでいく所存です。

詳しくは、いじめ問題の実態調査・対策をご覧下さい。

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