探偵コラム 「離婚問題」

第6回 離婚で揉めるお金の問題 〜年金分割制度〜
年金分割制度とは、
年金制度改革関連法の成立で平成19年4月1日以降、民間企業で働く方の大多数が加入している厚生年金と公務員が加入する共済年金に限り、婚姻期間中の保険料納付実績に応じて離婚時に限り分割することが可能になった制度です。
年金分割制度が成立した背景
増加傾向にある熟年離婚(特に夫が働き、妻が専業主婦)の場合、老後に受け取る年金は、専業主婦の妻は僅かな国民年金(国民年金の基礎年金のみ)しか支給されないのに対し、働いている夫には厚生年金(基礎年金+報酬比例部分)が支給されますが、妻は夫名義の厚生年金は夫にしか支給されないことから、結婚や出産、育児などの為に早くに退職し働く期間が短い場合や働いていたとしても家庭との両立や税金控除などの理由から賃金が低くなる場合も多く年金自体が少ないなど、この制度を利用する事により不利な立場にある専業主婦の妻にも、夫婦は協力・扶助の上に成り立っており夫を支えた事から年金額に反映されるべきであり、公平性と専業主婦が離婚した場合の年金水準の低さという観点から導入された制度です。
年金分割の種類
合意分割(離婚分割)
平成20年4月1日以前の年金に対しては、当事者間の合意の上で合意に至らない場合は家庭裁判所の裁判手続にて、家庭裁判所が決めた割合に従い最大で2分の1の割合で年金分割を受ける事ができる。
3号分割
平成20年4月1日以降は、夫または妻のどちらかに第3号被保険者(例えば、夫が厚生年金若しくは共済年金に加入している場合、妻が主婦の場合は国民年金の第3号被保険者となる)期間があった場合、婚姻期間中の納付実績から自動的に2分の1の年金分割を受ける事ができる。

年金分割の図解
年金分割の種類

年金分割制度の注意点
  1. 自営業者が加入する国民年金(基礎年金)はこの制度を適用できません。
  2. 厚生年金、共済年金が対象ですが、国民年金(基礎年金)に相当する部分(1階部分)や3階部分は分割の対象にはなりません。
  3. 婚姻前の期間や将来受け取る予定の期間を分割できる制度ではありません。あくまでも婚姻期間中の納付実績に応じて分割する事ができる制度です。
  4. 分割された年金を受け取る事ができるのは年金受給開始年齢に達してからであり、離婚後すぐに貰えるものではありません。
  5. 相手方より多く年金を支払っていた場合や年金の受給額が多い場合は、年金分割を請求される立場になります。
  6. 年金分割の請求期限は原則離婚から2年以内と定められています。

熟年夫婦の場合や専業主婦を長く続けてきた場合は、今後受け取る年金によって離婚後の生活が左右する重要な問題です。平成20年4月までの年金は夫婦での協議になり、決着がつかない場合は法務省の管轄である家庭裁判所の調停の申し立てとなり、状況によっては弁護士の協力が必要になるかもしれません。

年金分割制度の請求や手続きは日本年金機構の管轄である全国の年金事務所となり、状況によっては社会保険労務士の協力が必要になるかもしれません。面倒な部分もあるかもしれませんが、大切なお金の問題ですのでしっかりと対処する事をお勧めします。

第5回 離婚で揉めるお金の問題 〜慰謝料〜
慰謝料とは、
精神的苦痛に対する損害賠償(民法709条)として支払われるお金です。
慰謝料が認められるのは、不貞行為、暴力行為等、どちらが悪いという区別が明確でその原因が不法行為である場合に請求することができ、不貞行為(婚姻侵害)の場合は、浮気相手に対しても慰謝料請求が可能です。
性格の不一致、価値観の違い、家族親族との折り合い等、どちらが悪いかの判断が明確にできないことに関しては認められません。
慰謝料の金額

慰謝料 慰謝料には明確な基準はありませんが、離婚原因、有責行為の度合い、精神的苦痛の度合い、婚姻期間、経済状況、子供の有無などの事情を考慮した上で金額が算定されます。
裁判上の慰謝料の相場は100万円〜300万円程度が平均的です。

慰謝料と財産分与の性質は異なるものですが、実際には合算する場合が多く、家庭裁判所の統計資料では、一般的なサラリーマンで200万円〜500万円で推移しています。
夫婦間協議で決める場合は、財産分与と合算するのか、個別なのかを明確にし書面に残すことをお勧めします。
話し合いで解決ができなければ、家庭裁判所の調停、地方裁判所の離婚請求訴訟へと移行することになります。

慰謝料請求の時効と注意点

慰謝料請求は離婚成立後、3年で時効になります。離婚後にお金の話し合いをすることは難しい傾向にありますので可能な限り一括払いで、止むを得ず分割払いで協議離婚の場合は、強制執行認諾約款付公正証書を作成し、離婚届を提出する前に取り決めをしておくことが重要です。

財産分与に慰謝料が含まれている場合や、不貞相手への慰謝料請求の際に配偶者が不貞相手に婚姻の事実を隠していた場合、夫婦関係が破綻していた場合、配偶者から多額の慰謝料を貰っている場合には慰謝料請求することは難しいので注意が必要です。

協議の段階では不貞を認めたものの調停や訴訟になった場合に否認されるケースも珍しくありませんので、言い逃れをさせない決定的な証拠を押さえておく事が肝心です。

第4回 離婚で揉めるお金の問題 〜財産分与〜
財産分与とは、
婚姻期間中にお互いが協力し築いた財産を清算し分けることです。
財産分与の対象となる財産は、夫婦の共同名義で取得した不動産や共同生活に必要な家財道具などの財産(共有財産)、夫婦どちらか一方の名義で取得した不動産、現金、預貯金、自動車、有価証券、生命保険などの解約返戻金、退職金などの財産(実質的共有財産)が対象です。
これらを清算的財産分与と言います。

名義がどちらか一方であっても、専業主婦であっても、共働きであっても、お互いの協力の上で築き上げられた夫婦共有財産となり分配することになります。
共同名義で取得した不動産は、売却し分割するか、どちらか一方が相手方の持ち分を買い取ることになり、家財道具や自動車はどちらか一方が引き取るか売却することになります。

財産分与の割合は双方協議の上で取り決めますが、原則2分の1が一般的です。
夫婦関係を破綻させた側、離婚原因を作った側(有責配偶者)からも請求することが可能で、離婚後2年以内であれば請求する権利があります。

結婚前に所有していたもの(預貯金含む)、婚姻期間中に相続や贈与されたもの、その他各自の専用品は特有財産となり財産分与の対象にはなりません。

扶養的財産分与

清算的財産分与が無い場合、高齢・病気の場合、小さな子供が居る場合など経済的自立が難しいと認められる場合には、弱者に対する扶養を目的として財産分与の中に生活保護費を基準に2〜3年分から自立するまでの間、生活費の援助を盛り込むことがあります。
但し、扶養能力がある場合に限られます。

財産分与を協議で決める場合の注意点
財産分与を請求できる期間は離婚した時から2年以内は可能ですが、離婚成立後は何かと難しくなります。
可能な限り離婚前に請求し一括で受け取ることが理想です。
一括での支払いが難しい場合は、支払いの期間、支払い方法、支払い金額を明確にし離婚協議書を作成し公正証書にしましょう。
第3回 離婚の形態 〜協議離婚〜

法律では、離婚の形態を協議離婚、調停離婚、(審判離婚)、裁判離婚と規定されています。
実際には、審判離婚はほとんど利用されることがないので( )とします。

まず、離婚に向けての第一段階になる夫婦間での話し合い。
当事者同士の話し合いで離婚に合意し、離婚届を役所へ届出することで離婚が成立することを協議離婚と言います。
日本での離婚の約9割がこの協議離婚です。

離婚の理由や経緯に関わらず、簡単に離婚が成立する反面、離婚後の諸問題をきちんと取り決めをしておかなければトラブルに陥りやすい側面があります。
話し合いには想像以上の労力が必要となり急いで事を終わらせようとする傾向にありますが、諸問題を全て解決し、十分に話し合った上で離婚協議書を作成、公正証書にし、離婚届に押印、役所へ届出するようにして下さい。

「離婚前に必要な取り決め」
金銭的問題
慰謝料、財産分与、養育費、婚姻費用、年金分割など
子供の問題
親権・監護権、面接交渉権など
その他の問題
離婚後の生活、住居、戸籍、保険、保証人など

上記の取り決めを書面「離婚協議書」を作成し、証拠保全の為残しておきます。
更に、作成した離婚協議書を公正証書にします。

公正証書とは、公証役場という法務局が管轄する官公庁で契約等の法律行為を認証する場所で、公証人という、法務大臣が任命する公務員が作成する公文書になります。

公文書にすることで偽造することのできない証拠力の高い文章になり、金銭の債権債務の不履行に対しては差押え等の執行力が発生し、作成された公正証書の原本は20年間公証役場で厳重に保管されるので安全です。

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第2回 不貞行為の証拠

不貞行為(配偶者以外の異性と性的関係を持つこと)を
証明するにはどのような証拠があるでしょうか。

ここでは、実際にあった不貞行為を理由とした慰謝料請求事案を参考に、
証拠能力の高いもの、証拠として有効なものを列記します。

  • 探偵事務所や興信所を使って得た証拠写真や調査報告書、調査員の証言
    ※ 訴訟資料として利用する際は、動画の場合、静止画にする必要があります。
  • 浮気相手との会話の内容を録音したもの、友人や会社の同僚など第三者の証言
    ※ 訴訟資料の場合は、録音した内容を反訳(文書化)する必要があります。
    ※ 録音機材の設置に関しては公序良俗に反したり、不法行為となると証拠として採用されません。
〜有効な証拠に補足する為の状況証拠〜
  • 電話の発着信履歴、メールの送受信履歴、携帯電話やパソコン内の情報、個人で開設しているブログやフェイスブックなど
    ※ 肉体関係が推認できるもの以外は、交際の事実もしくは関係のある事実は証明されますが、不貞行為の証拠としては認められません。
    ※ 携帯電話やパソコン内の情報、ブログやフェイスブック等の情報次第では証拠能力の高いものになります。男女の関係が推認できる写真や動画が保存されている、ブログやフェイスブックに当事者でしか知り得ない内容が書かれているなど。
  • 不貞の事実を認めた内容の書面や陳述書、本人が書いた手帳や日記、浮気相手が書いた手紙やメモなど
    ※ 後に「脅されて書いた」などと言われない為に、これとは別に音声や映像でも残しておくと良いでしょう。
    ※ 法的効力のある書面にする場合は法律家へご相談下さい。
  • 不貞行為の裏付けとなるもの、クレジットカード等の利用明細、レシートや領収書など
    ※ 不貞行為を立証する為の状況証拠となります。

証拠になりそうな物は一つでも多く確保しておきたいところです。
ただし、証拠を確保する場合は無理をせず、調査対象者に発覚することのない範囲内で行い、携帯電話のカメラ機能やデジタルカメラなどで撮影し保管すると良いでしょう。

詳しくは、浮気・不倫調査をご覧下さい。

第1回 浮気は、すぐに問い詰めないで!

現在あなたの置かれている状況は、パートナーの些細な行動や言動からの「怪しい」という憶測や「もしかしたら」という疑惑の段階ですか?携帯電話をこっそり見て親密さが伺えるメールを発見した、パートナーと浮気相手が偶然ホテルへ入るところをあなたの友人が目撃した等、疑惑から確信へ変わった段階ですか?

今すぐ問い詰めたい気持ちはわかります。ですが、今はグッと堪えて下さい。
証拠が無ければ認めることはほぼありません。決定的な証拠が無いままいくら問い詰めても無駄に終わってしまったり、その後警戒してしまい、証拠をつかむのに大変苦労することになってしまう等といったことも多々ございます。

証拠があればパートナーは有責配偶者となり、たとえ離婚調停を申し立てても成立しません。有責配偶者とは、自ら離婚原因を作り婚姻関係を破綻させた者のことです。離婚訴訟への移行は、有責配偶者からの提起は認められておりません。

あなたが離婚する方向であれば、慰謝料請求を含め優位に立つことが出来ます。
あなたが離婚しない方向であれば、自分の意思をはっきりと示し離婚届に判を押さないことです。

「あの時証拠を押さえるべきだった…」そのように後悔することの無いよう、離婚する、しないに関わらず、浮気の事実を明確な形で証拠に押さえておきましょう。その証拠があるか無いかによって、後の展開を大きく左右することになる為、大変重要となるのです。

詳しくは、浮気・不倫調査をご覧下さい。

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